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■1日目 自宅の車〜戸倉
体育の日の連休をどこの山で過ごすかを母親に相談したところ、尾瀬、尾瀬!となぜか独断で決めてしまう。完全予約制の小屋には数カ月前から予約を入れているという。手回しのよさに少々あきれる。今回は車で夜通し戸倉まで移動、ペーパードライバーであるビスタ〜リはただ乗っているだけだ。
■2日目 鳩待峠〜至仏山〜弥四郎小屋
鳩待峠までのバスの窓からは、関西ではお目にかかれないような素晴らしい紅葉が広がり、いやがおうにも期待が高まる。
鳩待峠からはマイペースで歩きたいので、ひとり先行することにした。快調にぐんぐん高度が上がるにつれ、秋の装いの尾瀬ガ原が眼下に広がってきた。小至仏山まで来た所で、団体が多く登山者が頂上まで連なっていた。にぎやかな頂上で家族が来るのを待つあいだに、富士山まで見える眺望を堪能した。アルプスと違って心が落ち着く眺めだ。
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尾瀬ヶ原と燧ヶ岳 |
至仏山への登山道 |
山ノ鼻コースの紅葉 |
下りは木の階段が続く山ノ鼻コース。トントンと調子よく下るが途中で滑りやすい道になり、疲れて休憩していたら家族も追いついてきた。
あとは小屋に向かって尾瀬ガ原の木道を歩く。日帰りで帰るいくつもの団体観光客とすれ違う。一体どれだけ入山しているのだろう?木道歩きにも飽きたころ、本日のお宿に到着。別棟の個室に案内された。お風呂にも入れ、夕焼けも素晴らしく大満足。ただ、隣の部屋が消灯までバカ騒ぎ!最低な夜を過ごした。尾瀬は色々な人を受け入れすぎなんだな。
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尾瀬ヶ原の落ち着いた紅葉 |
絵本のような尾瀬ヶ原の森 |
至仏山の夕焼け |
■3日目弥四郎小屋〜燧ヶ岳〜長蔵小屋
雨が降っていた。また雨ですか!すっかりお馴染みの雨具を着込む。家族は燧ヶ岳まで登る気がないので、別行動をとることにした。
雨でぬれた紅葉もまた情緒がある樹林を歩く。燧ヶ岳への分岐からは急登が待っていた。人にまったく会わずに、雨もやむ気配がなく滅入ってきた。途中、グループに追いつき、そしてまた追い越されて柴安グラに到着。2003年度恒例!?となった雨具での登頂記念写真を先ほどのグループの方に撮ってもらった。
休憩後、俎グラに向かう。一旦下って登り返す内にどんどん人が多くなった。いままでの静寂はどこへ!?俎グラでは団体が大騒ぎ。場所を占領していた。閉口しつつ下山する。最短で下りられるナデッ窪コースを選んだが、ここがまた雨ですべるすべる。一歩一歩細心の注意を払わなければならない。ほうほうの体で沼尻に到着。ドロドロのスパッツを洗ったりして休憩に長い時間を取った。
気を取り直して、長蔵小屋に向かう。すっかり天気が回復し、燧ヶ岳が姿を現わしていた。はあ〜っと恨めしく見上げている内に悲劇がビスタ〜リを襲う。突然燧ヶ岳と大地がひっくり返ったのだ。いや、そんなバカな事はなく正確には、ひっくり返ったのは人間の方で木道から落ちて一回転して湿原に倒れてしまったのだ。これにはかなり動揺した。あわてて起き上がって木道に飛び上がり周囲を見回すも、幸い人の姿はなかった。よかったあ!!公衆の面前で醜態をさらさずに済んだのだ。
しかし、それでも動揺はおさまらなかったのだ。なぜなら、尾瀬に入山してから、あらゆる所で湿原の植生を保護するための徹底した施策を見てきたからだ。人に踏まれた繊細な植物たちは根付くことができずに、やがて枯れてしまい、再び次の世代が成長するまで数年かかるという。ああ、それなのにそれなのに!また、これが岩陵の登山道だったら…と考えただけでも恐ろしい。
小屋に到着すると、家族が丁度小屋に入っていくところだった。我が身に起った数々の出来事を共有できないのがもどかしい。そこで、燧ヶ岳で前後した例のグループが到着。下山では会わなかったので聞くと、長英新道から下りたらしい。「ナデッ窪を下りたの?こっちもしんどかったけど、そっちはすごくハードだったでしょ!」と解ってくれる人達が登場してうれしかった。
長蔵小屋は山小屋というより、立派な旅館だ。個室にはこたつもあり快適だった。
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弥四郎小屋 |
燧ヶ岳で出会った小さなねずみ |
尾瀬沼を見下ろす |
■4日目長蔵小屋〜大清水
本日は短い行程だ。小屋から大清水へ向けて出発。標高が下がるにつれて紅葉が素晴らしかった。それは登山口の林道まで続き、3日間を締めくくるには申し分のない美しさであった。
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大清水への下り坂 |
沢沿い |
林道沿い |