行程 |
1日目●美濃戸口〜赤岳鉱泉 |
2日目●赤岳鉱泉〜硫黄岳〜美濃戸口 |
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行動時間 |
1日目●3時間 |
2日目●8時間 |
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■1日目 美濃戸口〜赤岳鉱泉
いよいよ冬期登山で森林限界を越える日がやってきた。あの加藤文太郎の厳冬期の初登山が八ヶ岳であったということもあり感慨深い。といっても、今回は硫黄岳だけをサクッと登頂し、高山の冬山を覗かせてもらう、初心者コースなのだ。とはいえ、悪天だと軟弱なインチキ山ヤお断りの世界なので、好天を願うばかりだ。
始発電車で出発して、新幹線と特急を乗り継いで茅野に向かう。ピッケルはさすがにムキ出しでは猟奇的になってしまうので、袋に入れて手に持って乗車。「特急しなの」からの車窓からは雪を纏った秀麗な御岳の姿が見て取れた。
バスが集合場所の美濃戸口に到着後は、簡単な自己紹介。今回はインストラクターさん2名を含んで計6名が行動を共にする。スタッフの車で美濃戸山荘に向かう。その後は林道歩きだ。左手に御岳が樹林越しに見えた。晴天で暑いぐらいだった。緊張する場面もなく終止のんびりペースで進み、沢沿いの登山道に入りやがて八ヶ岳の稜線と針葉樹をバックにたたずむ赤岳鉱泉が現れた。小屋の横では人工的に氷壁が造られており、何人かがアイスクライミングを楽しんでいた。針葉樹からぐぐ〜っと岩壁が屏風のように立ちはだかっている景色は見た事がなく新鮮だった。
テント設営後はティータイムでゆっくり過ごす。今回は、共同装備を全て本格派山ヤであるインストラクターさん2人が担いでくれ、これまた手際よくテントを設営してくださり、我々はラクチンだった。夕食はまたまたインストラクターさんが調理。上げ膳据え膳ですよ。「まるでシェルパですね」と言うと「シェルパは料理しないよ!専用のコックがいるから。」「あ、そうですよね!」という会話からネパールトレッキングの話題で盛り上がった。「コーヒー、コーチャ、ドッチガイイデスカ?」と微笑みながら語りかけるシェルパたちが脳裏に浮かんだ。
テントは6人が横になると窮屈ではあったが、なぜか一瞬で眠ってしまった。
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林道をゆく |
赤岳鉱泉とアイスキャンディ |
テント場から稜線を望む |
■2日目 赤岳鉱泉〜硫黄岳〜美濃戸口
朝3時起床。まだ外は闇の中ではあったが、風がなく星が瞬いていた。絶好の雪山日和だ。ヘッ電を付けてアイゼンとスパッツを装着。しかし、このスパッツ本当に付けるのが面倒臭い。もう少しお金を出せば装着簡単なタイプがあるのだが。同じスパッツを使っている人がいて、一緒にしばらく悪戦苦闘。吹雪の中だと凍えていたに違いない。サブザックで4時頃出発。
山荘前から樹林の登山道に入る。しばらくは勾配の少ない道で沢を何度か渡った。そのうち勾配がきつくなり、一歩一歩確かめるようにゆっくり登る。やがて頭上の樹林がひらけてきて、稜線と目線が同じになった頃、赤岩ノ頭のコルの直下に到着。ここからコルに上がる道は危険なので、インストラクターさんのサポートで一人一人慎重に登っていった。ここからは雪屁ができている道をたどり、岩陵帯に突入。さらにゆっくり登り、ついに硫黄岳頂上に到着!
南アルプスをバックに阿弥陀岳、赤岳、横岳が朝日に輝いていた。幸運にも風が弱く、爆裂火口を覗き込んだりして快適に過ごせた。正直、八ヶ岳はどうもミーハーなイメージがあって積雪期はともかく、無雪期には食指が動かなかった。しかし、目の前の赤岳まで続く稜線を見ると、縦走欲を掻き立てられる。無雪期に縦走しようと決意。
下山は往路と同じ道を辿る。沢山の登山者とすれ違った。ゆっくりとテントを撤収、荷物をパッキングしてテント場を出発。北沢沿いの登山道で、南八ヶ岳の勇姿を見るために何度も振り返った。
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硫黄岳だよ!ひゃっほ〜 |
断崖絶壁の爆裂火口 |
爆裂火口・反対側から |
赤岳・阿弥陀岳の稜線 |
赤岩ノ頭のコルに向けて下る |
稜線ともお別れです |
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