大杉谷 大台ヶ原 大台ヶ原2004年5月1〜2日1泊2日

関西屈指の大渓谷!1日目は滝に癒され2日目は地獄の急登!
行程
1日目●宮川ダム〜桃ノ木小屋
2日目●桃ノ木小屋〜日出ヶ岳〜大台ヶ原駐車場
                         
行動時間
1日目●5時間30分
2日目●6時間

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■1日目 宮川ダム〜桃ノ木小屋

以前から行きたいと思って下調べをしていた大杉谷に、満を持しての挑戦だ。「西の黒部渓谷」という称号を与えられているだけあって、滑落事故も相当多いと聞く。事故のほとんどが下りで起っているらしいが、登りでも油断大敵の手強いルートだ。

始発に乗り込み、近鉄を乗り継いで松阪駅に到着。松阪牛弁当に気をとられつつ、9時発の直通バスに乗り込む。1台では乗客が乗り切れなかったので、あぶれた人は同時刻に出発する路線バスに分乗。意外に登山者が多かった。近くの座席に座った夫婦連れは飛行機に乗っての遠征らしい。人気の程が伺える。延々2時間バスに揺られ宮川ダムに到着。

早速ダムの渡し船の乗船券を買いに行くと、ショックなニュース。本日はダムの水位が低く、一番手前の第4乗船所まで行かないというではないか!オジサンが「ちょっとの距離なのに、この乗船代は高い。おかしい。まけてよ。」と窓口の女性に値切り交渉。船はあっというまに第4乗船所に到着、釈然としない我々を降ろしてさっさと戻っていった。45分余分に第三発電所までのアスファルトの林道歩きを強いられた。やっと宮川発電所に到着した頃には12時半になっていた。家を出発してからすでに8時間近くかかっている。さすが関西の秘境ですね。

発電所からは、いきなり岩壁をコの字にくりぬいた登山道が現れた。下を覗くと激流の渓谷からゴォ−っと轟音がしていた。これでダムの水位が低いのかよっ。よっぽど不注意に歩いていない限り滑落する心配はないが、高所恐怖症の人にはツラいかも。

しばらく歩くと河原に出たので昼食タイム。そこからは落ち葉でかくれた岩がゴロゴロしている登山道を歩く。やがて、空から水が落下してくるかのような大杉谷最大の千尋滝に到着。すごい迫力!45分余分に歩いた甲斐がある。(←しつこい)休憩所で一息いれる。そして、滑りやすい 危険な下りをマーキングに沿って慎重に過ぎると、一気に目の前が開けた。猪ヶ渕だ。宮崎県の高千穂峡に似ているその景観に圧倒された。大きな岩の上でのんびりと休憩タイム。ここから小屋までコースタイムが1時間20分だ。あと少しなので安心した。あとはのんびりと歩こう。

吊り橋を渡ると左手に平等グラの絶壁がそそり立っていた。河原にテントが張っていた。沢の音がうるさいのに眠れるの?やがて吊り橋を渡り、16時30分に桃ノ木小屋に到着。

河原では数人がのんびりとおいしそうにビールを飲んでいた。その姿を見るといてもたってもいられず、部屋に案内されてザックを置くと、早速ビール片手に河原に向かった。大きな岩の上に座ってぐいーっとビールを飲む。さいこうだーっ。靴を脱いでごろんと横になった。ああ、幸せ。

夕食とお風呂のコールがかかった。オジサンオバサンが先を競うように1階に降りていった。早いもの順らしい。オジサンオバサンで混んだ食堂もお風呂もイヤなので30分ずらしたら、作戦は成功、お風呂は1人で占領でき、食事もゆっくりできた。連休中にしては宿泊者が少ないらしく、大部屋の寝室もゆったり使えた。しかし、市販の睡眠導入剤との相性がイマイチのせいか、かなり寝苦しかった。


■2日目 桃ノ木小屋〜日出ヶ岳〜大台ヶ原駐車場

天気がよかったのは昨日まで。この山域ではやっぱり雨がつきもの。「大台ヶ原で雨にあわなかったら、よほど精進のよい人」(by 深田久弥)らしい。それでも小雨なのでカッパの上だけを着て出発。『事故多発地帯!』と書かれた看板に怯えつつ七ツ釜滝に到着。霧雨のなか幽玄な雰囲気を漂わせていた。

七ツ釜滝からは岩壁に取り付けられた鎖を補助に慎重に進む。沢に滑落したら大変だ。やっと足場が安定している場所に出た。そこからは光滝が眺められた。裾を広げて落ちるその滝は見ていて心がやすらぐ。ここからは、一気に高度を上げるように急登が始まる。1695mの日出ヶ岳に登るのに、昨日からあまり標高を上げていない。ここからが勝負か!?

また吊り橋が現れ隠滝が足下に。もうなんか見ていたらひゅうーっと吸い込まれそうだ。そしてこのコース最後の滝である、堂倉滝の吊り橋を渡り沢とお別れ。

きたきた、きましたよ。急登が。木の根が張り出している急登を、時には両手も使って黙々と登る。やがて林道に出て、粟谷小屋に到着。小屋の人が外に出てきた。「軒先で休んでいったら。」と声をかけてきた。再び林道から山道に入り、またも急登が続く。大台ヶ原駐車場を朝出発したのか、下っていく何人かとすれ違った。ひとつふたつと咲いているシャクナゲがきれいだ。どんどん空がひらけてきたので、もうすぐかなあと思った頃に階段が続くようになった。疲れた体にムチ打ち一気に登り、やっと日出ヶ岳に到着。悪天にもかかわらず観光客が多い。

ひっきりなしに観光客が歩く方向とは逆に駐車場に向けて散策路を歩く。大台ヶ原は以前にも来た事があった。その時は日出ヶ岳には登らなかったが。駐車場に着くとトイレで着替え、さっぱりとしたところでレストランでうどんを食べた。体が暖まるとほっとした。結構疲れたが、同じコースを秋に登りたいと思った。紅葉に彩られた大杉谷もぜひ見たい。近鉄大和上市駅行きのバスが大台ヶ原から離れると、どんどん天気がよくなってきた。

※画像データが壊れたので今回は写真はなしです。ぜひともご自分の目で大杉谷をお確かめください!

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