蝶ヶ岳 北アルプス2004年5月8〜9日前夜泊2泊3日

春の北アルプス展望台!今年も北アルプスはここからスタート
行程
1日目●大阪〜松本
2日目●松本〜上高地〜横尾〜蝶ヶ岳
3日目●蝶ヶ岳〜徳沢〜上高地
                         
行動時間
1日目●5時間30分
2日目●6時間

[山行LISTへ]
■1日目 大阪〜松本

今回も毎度お馴染み・某アウトドアショップのツアーに参加だ。昨年7月に行った蝶ヶ岳コースとまったく同じ行程だが、積雪している点がビスタ〜リにとっては未知なる世界。

今年から「急行ちくま」が季節限定運行になったのを知ったのは1週間前。慌てて高速バスと松本のホテルに予約を入れて、前日の金曜日に会社の半休を取得した。あぶないあぶない。大阪発16時、松本着21時30分の阪急高速バスで松本入りしてホテルに泊まり、土曜日の始発の松本電鉄に乗り込んだ。


■2日目 松本〜上高地〜横尾〜蝶ヶ岳

今回はインストラクターさん2名を含む計9名のメンバーだ。ほとんどがアイゼン歩行が初めてだということで、ちょっとだけ先輩のビスタ〜リが食料プラス3人用テントを担ぐことにした。テント泊にも興味が湧いてきた頃だったので、果たして軟弱なビスタ〜リでも、テントを持って歩けるかどうかを試したい、というのもあった。

横尾までの道はまったく雪が無く、冬山装備と登山靴では重くて歩きづらい。それでもまだ楽勝だった。横尾から雪が現れたが、しばらくはツボ足で歩けた。途中からさらに積雪があり12本爪アイゼンを着けた。コースは知っていたので、精神的にはラクだ。初めてのコースをまだかまだかと登る苦しさったら…。

何度か休憩をはさんでいよいよ稜線の縦走路に飛び出した。アイゼンも手前で外していたので、体が軽くなった気がした。ガスが切れて槍穂の稜線も出迎えてくれた。すっきりと晴天というわけではないが。まったく雪が無い縦走路のアップダウンを繰り返し、方位盤がある瞑想ノ丘に到着。ああ、また今年もここに来る事ができたんだなあ、としみじみする。

テント場に移動。重いザックからやっと解放されたが、体は特にしんどくなくて快調。3人用テントを単独の女性と2人で使いテント内は広々していた。今夜も快適に眠れると思ったが、 それは無惨にも裏切られる事になる

ひとつのテントに集合して夕食タイム。今回はキムチ丼やおでんで満腹だ。積雪がないといってもじっとしているとかなり寒いのだが、食後は暑いぐらいに体が温まった。

就寝前にテントの張り綱やペグを再点検。夜は強風になるから、とインストラクターさんから念を押された。以前に、夜中にポールがひん曲がるほどの強風でテントが崩壊、ヒュッテに逃げ込んだことがあったらしい。シュラフにもぐりこんでしばらくすると、インストラクターさんが言ったとおり、強風がバタバタとテントを揺さぶるようになった。耳せんをしてもバタバタゴォーゴォーとうるさくて眠れない。睡眠導入剤を飲んでもさっぱりだ。そのうち体も揺さぶられるようになった。


■3日目 蝶ヶ岳〜徳沢〜上高地

そうこうする内に時間が過ぎていき、突然インストラクターさんが外から、ご来光が見えると声をかけてくれた。やはり一睡もできなかった女性と、こんな天気でご来光!?と半信半疑でテントのファスナーを開けた。すると雲の切れ間からオレンジの光が!そして、西側の斜面を登ると、そこには槍穂高の荘厳な姿が。何度も見た風景だが、その時の槍穂高は一番印象に残っている。人を寄せつけない怖い姿というか、うまく説明できないけど。強風で立っていられない中、必至で写真撮影。

なんとかテントを撤収し、相変わらずの強風の中、テント場を出発。槍穂高はもうガスの中で、今にも雨が降りそうだ。樹林の中に入ると登山道に積雪が。長塀山を越えて、道を間違えやすいポイントを通過、どんどん降下していく。たまにズボッと股まで雪を踏み抜く。徳沢まで半分ほどおりてきたところでアイゼンを外し、残雪で滑らないように注意して歩いた。一睡もしていない体にザックの重さがこたえてきた。肩が痛くて辛くなった頃に徳沢に到着。雨がさらに降ってきた。

長めの休憩後も上高地までの道は肩が痛くて辛かった。あまりにも辛くて、上高地に到着した時の嬉しさったらもう!「わたしにはテント泊はまだ無理みたいです」と敗北宣言。インストラクターさんにテントを返した。

夜明けの穂高稜線

●HOME● ●山行LIST●