涸沢 Part1 北アルプス2005年5月1〜4日3泊4日

テント担いで春の陽光まぶしい涸沢へ!
行程
1日目●自宅〜沢渡
2日目●沢渡〜上高地〜涸沢
3日目●涸沢〜涸沢岳〜横尾
4日目●横尾〜上高地〜帰宅
                         
行動時間
2日目●7時間
3日目●10時間
4日目●3時間

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■1日目 自宅〜沢渡

涸沢カールのテント場は行く度に、岩がゴロゴロで寝心地が悪そうだなぁ、と思って見ていた。テントとは無縁の頃に抱いた印象だったので、ちゃんと見た訳ではないが。今回は、3月の大山に同行させてもらった、IさんとKご夫妻のお誘いで、5月の涸沢に行くことになった。天候次第で涸沢岳にも登る。残雪の涸沢カールでテント泊ができるということで、期待がふくらむ。今回は、軽量化の為に持っていなかった、新兵器の銀マットも購入。水を除いてザックの総重量13kg。まあ、軽くまとめた方だろう。それでも、本年度初のテント山行。家で背負ってみると足がふらついた。待ち合わせの新神戸駅までタクシーを利用。

1日目は沢渡までの移動。春が訪れたばかりの沢渡では桜が咲いていた。朝から降りだした雨は深夜まで降り続いた。雨の中、重いザックを背負うのは嫌だなぁ、と思いながら就寝。


■2日目 沢渡〜上高地〜涸沢

朝、起きてみると、みるみるうちに晴れてきた。喜び勇んで、タクシーで上高地へ。バスターミナルの建物が新しくなって営業していた。河童橋で7時のライブカメラに映るように、みんなでカメラに向かって、はいポーズ。山行後、家でチェックをしたが保存期間が2日間なので、残念ながら見られなかった。

7時に河童橋を出発。早くも肩に食い込む重荷に不安を覚える。終始、最後尾で歩くことになる。昨年の蝶ヶ岳の山行では、明神から横尾の間はニリンソウがたくさん咲いていたが、今年はまったく咲いていない。


新築のバスターミナルの売店

涸沢に向けて、いざ出発!

フキノトウが咲いていました

横尾の手前で梓川の川岸を歩きます

徳沢を過ぎると何箇所か崩落していて道が荒れてきた。梓川の川岸の広々とした道を歩き、10時に横尾に到着。たくさんの登山者が休憩をしていた。気温は15度そこそこだったが、照りつける日差しがさすがに強い。日焼け止めを塗り直して、15分に出発。

屏風岩を見上げながら、取り外された本谷橋付近で休憩。沢にはスノーブリッジが沢山できていて注意が必要。踏み抜くと沢にドボンだ。この辺りは忠実にマーキングに従って歩く。夏道とは違う、沢沿いの雪道を歩く。徐々にきつくなる勾配。肩にかかる付加。全方位から攻撃してくる紫外線。Kご夫妻がアイゼンを付けて軽やかに私の視界から消え去っていった。


横尾から樹林を歩きます

本谷橋周辺はスノーブリッジに注意

雪がざらめ状にとけているので、アイゼンがきかない。ずるずる滑りながらひーひーと歩く。ここってこんなにしんどかったっけ?お腹が空いたのでゼリー飲料でエネルギーを補給。顔にタオルを巻き付けて紫外線に徹底抗戦の措置をとっていると、横切った男性から「女の人は大変ですね〜」と言われる。

タオルに覆われて呼吸が苦しい。でも絶対にタオルはとりたくない。タオルを取ったら負けだ。エベレストを登ることがあっても、絶対顔にタオルを巻いてやる。呼吸が楽で、オシャレで、視界がきく、100%紫外線カットする顔カバーを作り、特許を取ったらどうだろう。酸素が頭に充分回っていないせいか、くだらない思考を繰り返しながら、2つの小屋の分岐からテント場へ直登、14時に待望の涸沢のテント場に到着。


ふが〜、息苦しいのう。

ヒュッテが見えてもなかなか進まず

涸沢ヒュッテ側に寄り添ったテント場には、意外とテントが少ない。「涸沢カールの2つの小屋に挟まれた巨大テント場は黄金週間に大いに賑わう!」という状況を予想していたので拍子抜け。昨晩は雨で大変だったろうなあ、と思いながら跡地を発見。

ザックを投げ出したが、一息つくのはまだまだ。これから整地してテント設営だ。30分も早く先に到着していたKご夫妻が、ビールで乾杯しよう、と誘いにやってきた。おでんと生ビールに思いを馳せながら、急いでテントを設営。金属のペグの変わりに木の枝を拾ってきたが、気温が高いので凍り付く心配はなさそう。(※「女ひとりテント道」にて番外編公開中)


やっと設営完了。ビール、ビールっと…。

青空に気持ちよく泳ぐ鯉のぼり

ふらふらになってヒュッテの売店へ。おでんと生ビールを見つけるや、俄然元気を取り戻す。テラスで落ち着いたら、やっと涸沢にやってきたー!という実感がこみ上げてきた。「飲む前に生ビールの写真とらせてね!」とKご夫妻。私の方は辛抱できず、ゴキューッと飲んでから撮影。

改めて周囲の景色を確認。雲ひとつなく晴れ上がった青空に、残雪の稜線が眩しい。前穂高岳、白出のコル、北穂高岳へのトレース上にいる登山者がアリのように見える。スキーで滑降している登山者も。テラス正面は大天井岳から常念岳にのびる表銀座の稜線がくっきりと見える。日本には見えないよね、とデジカメ画像を確認しながら、しばしおしゃべり。


7時間歩いた者だけが味わえる

中身はアルプスの水、ではなくて焼酎。

4時頃に食事作りのためテント場に戻る。食事作りといっても、今回も手抜きメニュー。アルファ米にグリコの中華丼のレトルト。アルファ米ができる間に、暮れてゆく稜線を見上げながら焼酎お湯割りでいい気分。 7時頃にはシュラフに潜り込み、うたた寝を繰り返し、テントから顔だけ出して満天の星空を見たりした。苦しい思いをしても、テントを持ってきてよかったと実感できる時間を過ごした。

3日目は[涸沢 Part2]に続く!


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