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■はじめに
今年もやってまいりました!夏山縦走が。
2003年の裏銀座、
2004年の立山から新穂高とくれば、もう後立山縦走しかないでしょ!というわけで、今回もカシミールでコース断面図をつなげてみる。う〜む、昨年よりはアップダウンも少ないし、距離も短い。これはやれる!などとまったく根拠のない理由で自信をつける。
大雪渓経由で白馬岳に登頂、その後2つのキレットを越えて針ノ木岳まで踏破、そして針ノ木雪渓を下山するという予定にした。その間、ぜひともキレット小屋に宿泊したい。断崖絶壁に建つこの山小屋、ここは通過する人が多いため、宿泊者が少ないらしい。おまけに食事が美味しいとの情報。
そして出発の2週間前になって、母親から、白馬岳から朝日岳に縦走したいので、1泊目の白馬岳までは一緒に行こう、ということで話しはまとまった。
■1日目 自宅〜猿倉駐車場
家族と車で行くことになったので、往路の交通費が安くついた。3時に駐車場に到着すると、すでに満車でびっくり。白馬岳の人気のほどがうかがえる。空を見上げれば満天の星空に、いやがおうでも期待がふくらむ。
■2日目 猿倉〜大雪渓〜白馬岳頂上宿舎テント場
出発前に、朝日に照らされた稜線を1枚・・・、と写真を撮ろうとしたらメモリカードが入っていない。予備のカードで事なきを得たのだが、容量が少ないので枚数に限度がある。画質を落とすしかない。出鼻をくじかれた。しかし、これは今後起きる数々のトラブルのたったひとつに過ぎない。
気を取り直して5時30分出発。村営猿倉荘でトイレと水の補給、それと登山届けを提出。母親たちはここで保険に加入。「なんか保険に入ると安心やね〜」おいおい、遭難しないでおくれよ。林道をゆっくり過ぎる位のペースで歩く。どんどん追い抜かれてしまうが、我々は縦走するので、ここで飛ばしてバテるとシャレにならないのだ。
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カメラの件で狼狽える私を置いて歩く人達 |
猿倉荘で必ず登山届けを提出しましょう |
ペースを上げようとする母親を抑えて、7時20分に村営白馬尻荘に到着。山荘の前の広場から大雪渓が少し展望できる。おお!これが大雪渓!!正直に言おう。「白馬岳って人が多すぎて、なんかアレじゃない?それにあの大雪渓、大行列でいやな感じ。」と実は思っていた。しかし、こうして目の前で見ると「いいやん!いいやん!!」と絶賛している自分がいる。
山荘では1000円で簡易アイゼンが売っていたが、縦走する身として、少しの重量の追加も許されない。アイゼンなしで歩くことにした。雪渓の下部である、白馬尻荘から少し登ったところの岩場で、母親たちは8時ごろアイゼン装着。そして、いよいよ大雪渓を登ると、これがなかなか快適なのである。スプーンでくり抜いたような雪面に足場の不安は無かったし、雪渓の上を吹き抜ける涼しい風が心地よい。
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大雪渓を目の前にアイゼンを着けています |
おおクール!!急登もなんのその |
大雪渓でも、どんどん抜かしてもらう。そして30分ごとに休憩、まさに牛歩ペース。上部に登るとガスで展望はないが、時折日が射していた。左側の杓子岳の斜面より落石の音がするのが気になった。雪面が大きくパックリと割れている箇所が多くなり、ガレ場に到着。グリーンパトロールに、混雑しているのでもう少し上に登ってアイゼンを外すように言われる。この辺りが葱平のようだ。
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祭りでもあるのか!?白馬詣での長い列 |
葱平周辺・ここで数日後に崩落事故が発生 |
「葱平」だから、平な場所があるのかと思いきや、急登はなおも続く。しかし、ハクサンイチゲをはじめとした、お花畑の中の楽しい登りだ。避難小屋を過ぎるとさらに花は倍増。「白山よりは少ないな」とチラッと思った。思うだけで言葉にはしない。時期が違う他の山と較べるのはナンセンスだと思うから。それなのに「この前行った火打、妙高の方が花が多かったで!!」などとのたまう我が母。言っちゃったよ、この人!「白山もすごかったで」とつい自慢してしまったではないか。
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白山で見つけられなかったハクサンイチゲ |
お花が増えると休憩も増える |
ミヤマクワガタ |
クルマユリ |
ミネウスユキソウ |
ミヤマオダマキ |
減らず口の親子はその後も花を見つつダラダラと登り、12時15分に白馬岳頂上宿舎に到着。宿舎の前を右手にぐるりと回るとテント場だ。テント場のまわりには、ウルップソウがまだ残っていて嬉しい。
地面から突き出ている金属片を避けつつテントを設営。実はテント泊初体験(!!)の母親たちのテント設営を手伝う。
テントはその後どんどん増え、特にトイレ寄りの場所は通路らしきものが無くなった。18時ぐらいから遠くに雷が聞こえてきたので、母親たちに靴はテント内に入れておくように言っておいた。アルファ米とホワイトシチューを食べて19時ごろ就寝。20時ごろより雨が降り出し、雷がやってきた。ピカッと光って2秒後に爆弾が落ちたような雷鳴。近くに落ちたようだ。ただし、最強アイテムの耳栓のお陰で恐さが半減。この長く続いた雷雨の中、どこからかいびきや宴会で騒ぐ声が聞こえた。
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テント場の周りに沢山のウルップソウ |
カラフルなテントがぎっしり! |
3日目は[白馬岳〜鹿島槍ヶ岳 縦走 Part2]に続く!
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