白馬岳〜鹿島槍ヶ岳 縦走 Part5
北アルプス2005年8月6〜10日車中泊5泊5日
猿倉〜白馬岳〜白馬鑓ヶ岳〜唐松岳〜五龍岳〜鹿島槍ヶ岳〜種池〜扇沢

花と岩と雷・後立山連峰はアメとムチを使い分けるニクい奴!
行程
1日目●自宅〜猿倉
2日目●猿倉〜白馬岳頂上宿舎テント場
3日目●白馬岳〜白馬鑓ヶ岳〜唐松岳
4日目●唐松岳〜五龍岳〜キレット小屋
5日目●キレット小屋〜鹿島槍ヶ岳〜種池山荘
6日目●種池山荘〜扇沢
                         
行動時間
2日目●6時間45分
3日目●9時間35分
4日目●7時間50分
5日目●7時間20分
6日目●2時間30分

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■6日目 種池山荘〜扇沢

最悪だ。結局、夜半から降り出した雨はそのまま止むことは無く、しかも朝から雷雨がやってきた。5時前から隣のテントが、雷の中撤収をしている。恐くないのかな。隣近所の動向を伺いながら、テント内で待機していた。

雷が遠ざかったところで、トイレのついでに山荘で情報収集しに行く。わずか2時間半ほどの扇沢への下山もためらうほどの大雨なので、みんなどうしたものかと思案しているようだった。そんな中、慌ただしく無線をもった小屋のスタッフがどこかに出る支度をしている。何か事故があったのだろうか。玄関の周囲にいた人達は心配そうに見守っていた。

何だかすっかりモチベーションが下がってしまった。扇沢に下山することに決めた。撤収を前に朝食のカップラーメンを食べていると、またしても至近距離に落雷が。まったく、人が撤収しようとするとこれだ。しかもテント内に雨水が浸水してきた。

荷物をまとめて、雨具のフル装備になったところで、えいやっとテントから飛び出して、大雨の中テントを素早くたたむ。雨をたっぷりと含んだテントを、スーパーの袋に押し込んで急いで山荘に向かった。山荘に入ると冷池山荘から下山してきた人達で混んでいた。雷雨の中、稜線を下山するなんて恐くないのだろうか?

大雨の中、皆さん撤収していきます 沢と化した登山道を下っていきます

8時30分山荘を出発。すぐに樹林の中に入ったが、まだ雷が鳴っておりドキドキしながら下山。崩落危険箇所を様子を見ながら素早く横切った時は、生きた心地がしなかった。1時間ほど下ったところで、無線を持った種池山荘の方が、ケガ人に付き添っていた。タオルが血で染まっていた。

一斉に種池から下山した登山者たちと黙々と歩いていった。驚いたことに、こんな雷雨の中、我々とは反対に登ってくる人達も多かった。途中で長野県警察の山岳救助隊2人が頼もしい足取りで登ってきた。先程のケガ人の救助だろう。「気を付けておりてくださいね。」と声をかけられ、ジーンとなった。感動している場合ではない。下山するまで気を引き締めなければ。

登山口の駐車場付近。扇沢が濁流に 大町温泉郷の蕎麦で打ち上げ。美味しい!

柏原新道の登山口に着いてみると、雲の切れ間から青空が見えるが、稜線は相変わらず厚い雲の中だ。扇沢バスターミナルへの車道を歩いていると、例の冷池で下山したワンゲル部とすれ違った。これから再入山するのだろう。11時ちょうどに扇沢に到着。なんだか達成感のないまま縦走を終了したが、自然には逆らえない。

バスターミナルの隅っこで、びしょ濡れのテントを再度たたみ直していると、タクシーの運転手さんから「大変だったねえ」と声をかけられた。路線バスで大町温泉郷に途中下車し、「薬師の湯」で入浴後、バス停の近くの蕎麦屋で食事をし、13時40分発の信濃大町行きのバスに乗り込んで後立山連峰を後にした。

翌日、家でテントを干していると、白馬岳の大雪渓で大規模な崩落事故が発生したとニュース速報が入った。

■最後に
8月11日の7時30分ごろ、大雪渓上部の葱平付近で、杓子岳方面からの崩落により、数名の死傷者が出ました。やはり10日の大雨が崩落の引き金となったようです。冷池山荘では65mmの降水量を記録。優しくもあり、時には牙をむいてくる自然に、何度も自分のとるべき行動の判断を迫られました。色々と学ぶことが多かった6日間でした。亡くなられた方には心よりお悔やみ申し上げます。

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