剱岳 Part1 北アルプス2005年8月26〜28日前夜泊2泊2日

バカ尾根シリーズ第二弾!早月尾根で急登一本勝負!
行程
1日目●自宅〜馬場島
2日目●馬場島〜早月小屋テント場
3日目●早月小屋テント場〜剱岳〜馬場島
                         
行動時間
2日目●5時間
3日目●10時間

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■1日目 自宅〜馬場島

8月最後の週末の、台風一過の好天の天気予報に、いてもたってもいられない。おなじみのKご夫妻の動向を伺うと、とりあえず北アルプス方面に行こうということで、最終的に行き先はKご夫妻におまかせすることに。しかし、我々に許された時間は土日のみ。無難にロープウエイを利用しての西穂高岳、とお互い想定して、待ち合わせ場所の新神戸駅に行くが、早月尾根から剱岳にアタックしよう!と決定。一路、馬場島へ向かう。

突然のように思われるだろうが、この計画は以前から決めていて、晴天の週末がくるのを待ち構えていたのだ。剱岳は2003年に登頂済みだが、晴天を狙って再度登りたいと思っていた。初めての剱岳を果敢にも早月尾根から攻める、Kご夫妻の渋い選択には頭が下がる。予備日がないのが不安だが。

登山口から山頂まで標高差2200メートル、日本屈指のサディスティックな本コース、・・・あれ?どこかで聞いたようなフレーズ。そう、まさに黒戸尾根とまったく同じなのだ。これはだいたいコースの厳しさを予想できる。精神的には楽である。あくまでも精神的に、であって体力的にはまったく関係ないのだが。

3時ごろに駐車場に到着すると、どんどん車で駐車場は埋まっていく。まだ暗いのに、軽荷で歩きはじめる人が数人。日帰りピストンの猛者である。畏怖と尊敬の念で見送った。


■2日目 馬場島〜早月小屋テント場

5時に起きて空を見上げると、我々の期待を裏切り、今にも雨が振り出しそうな曇天。全国各地からきている登山者と同じく、朝食やトイレを済ませ、6時10分いざ出陣。キャンプ場を通り抜けると、大きな慰霊碑や、石碑が目に入ってきた。ここは泣く子もだまる天下の剱岳登山口。こんな立派な慰霊碑が建つ登山口は見たことが無い。

馬場島の駐車場。建物は馬場島荘 「剱岳の諭」。声に出して読んでみよう!

いよいよ登山道へ。テント泊装備の重いザックを担いでいる私がトップだ。のっけから木の根が張り出した急登が始る。しゃべっていても苦しく無いくらいのペースで歩かせてもらった。いったん、平坦な道となり、標高1000メートルの道標のある広場に到着。その後は、山頂までほぼ200メートル間隔で道標が続くことになる。

慰霊碑。「試練と憧れ」と刻まれています 樹齢は一体いくつ?立山杉

平坦な道が終わると、大きな立山杉が点在する急登に。ついに雨が降ってきた?いや違った、自分の汗だ。ポタポタと汗が落ちてくる。日ごろのビール三昧で、体にたまった毒素が抜けていくよう。8時25分に到着した、1400メートル地点で富山の市街地が遠望できた。うっすらと光っているのは日本海か?相変わらず山の中腹より上は雲に覆われている。

200m毎にある標高表示板。休憩の目安に 風通しのよい所で汗を拭いてひと休み

その後はずっと、ずーっと、ずずずいーっと急登。「黒戸尾根よりキツい」それが私の早月尾根のインプレッションだ。しかも、樹林の急登からは、まったく展望が得られないのだ。だいたい、登山コースはその道すがら、槍ヶ岳がちらりと見えたり、お花畑が現れたり、雪渓があったり、一切れ800円のスイカについついサイフの紐がゆるんで・・・、と心ときめくイベントがつきもの。ここ、早月尾根においては、そんなイベントは皆無なのだ。彼氏彼女がいない人の12月のよう。硬派なコースなのだ。

久しぶりに平坦な場所に到着。地図上に表記してある避難小屋跡だろうか。Kご夫妻が持参した地形図を見ると、ここからしばらく緩やかになるが、小屋までの等高線が、朝の大阪環状線の車内のように、ぎゅうぎゅうと詰まっている。「あははー」と顔で笑って心で泣いた。

急登で確実に標高を稼ぎます イワオトギリ

数少ない見どころ・池を通り過ぎた辺りから岩場になり、歩幅が大きくなる。疲労回復の為に、沿道に野いちごが実を付けていたので、少し食べた。しかし、その味は酸っぱくて食えたもんじゃない。「早月尾根はそんなに甘かねぇんだよ」と野いちごが言っているようだ。さらに、ロープが垂れ下がった岩場が続く。

ミヤマダイモンジソウ 岩場が出てきて四輪駆動!

もうそろそろ小屋じゃないかという時間で、ふいに頭上の木々がなくなり、ちょっとした広場に立った。そこから下って回りこむと、待望の早月小屋が建っていた。11時15分到着。歩いていて、急に間近に小屋が現れる演出は、五龍岳から歩いてきて現れるキレット小屋と同じだ。

わざわざ、テントを担いできたのは、ネットで見たテント場からの景色に魅せられたからだ。小窓尾根が正面に見える臨場感たっぷりのテント場・・・。今は真っ白。夜中におばけが出てきそうなトイレが見えるのみ。どうしよう、明日もこのままで、なーんにも見えずに、またあの木の根の張る急斜面を下山するだけだったら・・・。そんなことになったら、もうショックで寝込みそう。

テントは6張りでゆったり、小屋は大盛況 立山黒部アルペンルートのラベル

気を取り直して、ビールで乾杯!日常では味わえない魔法の味のビールを飲む。西穂高岳を想定した食料は、いつもより少しだけ豪華だ。そうこうしている内に、日射しが強くなり青空が見え出したが、稜線は見えず終いだった。

疲労のせいか、いつもより早く寝て、気が付くと20時になっていた。テントから顔を出して見ると、剱岳から小窓尾根の稜線が黒くどっしりと目の前に現れ、見上げると、天の川が見える程の満天の星空。谷には雲海が静かに流れていた。あまりにも荘厳な美しさに恐怖さえ感じる。なんだか、神の領域に紛れ込んでしまった気がして、慌ててテントの中に引っ込んだ。

2日目は[剱岳 Part2]に続く!


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