剱岳 Part2 北アルプス2005年8月26〜28日前夜泊2泊2日

バカ尾根シリーズ第二弾!早月尾根で急登一本勝負!
行程
1日目●自宅〜馬場島
2日目●馬場島〜早月小屋テント場
3日目●早月小屋テント場〜剱岳〜馬場島
                         
行動時間
2日目●5時間
3日目●10時間

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■3日目 早月小屋テント場〜剱岳〜早月小屋テント場〜馬場島

昨夜は満天の星空だったが、夜明けとともに空には雲が増えてきた。それでも、小窓尾根がその峻険な姿を見せてくれた。今年になってから2450メートル付近で2件の滑落事故が起きているので、充分足もとが明るくなった5時10分ごろ出発。

夜明けのテント場。小窓尾根が大迫力 2450m付近より。やったあああ剱だあああ!

しばらく蒸し暑い樹林の中の登りが続くが、ダケカンバやナナカマドに囲まれるようになる。紅葉の時季は素晴らしいに違いない。今度来る時は絶対、秋だなと心に誓う。2450メートル付近で急に展望が広がった。右手に剱御前、頭上に剱岳。一同大喜び。一瞬で昨日からの苦労が報われた。しかし、これでやっと室堂と同じ標高に上がったことになる。わざわざ下から歩いてきたことを考えると、達成感どころか自嘲気味に笑ってしまう。

これだけ登って室堂と同じ高さですか? やっと北アルプスらしい稜線歩き

室堂の地獄谷から、硫黄の匂いが漂ってきた。さらに2600メートル付近では、奥大日岳と室堂平、そしてその向こうに薬師岳の姿も。登山道もやっと高山っぽくなってきて、沿道の花もトリカブトやウサギギク、ヨツバシオガマが咲いていた。

山頂までわずかに見えますが時間はかかります タカネマツムシソウ。夏の花はもう終わり

いよいよ2600メートルより鎖場の続く垂直移動の始まりだ。落石を注意しながら慎重に登って行く。頭上には山頂の祠さえ見えているのに、なかなか距離が縮まらない。「カニのハサミ」と言われている場所は、慎重に歩けばさほど危険はない。タテバイやヨコバイの方がよっぽど恐いと思う。

急登の仕上げに、最後は垂直に移動です 絶壁をトラバース
カニのハサミにて。余裕のご夫妻 山頂より鹿島槍ヶ岳を見て大満足

さらに展望が広がる中、「すごいね、すごいねえ」と言いながら、剱岳山頂に7時50分到着。中腹より下は雲海に隠れているものの、北アルプス全山が望めた。満員の山頂では、ひっきりなしに祠の前で記念撮影をしていた。その顔はみんな満面の笑顔だ。

剱岳山頂より、立山三山方面を見る。

立ち去りがたいが、後ろ髪を引かれながら8時40分下山開始。これから2200メートルを下降するかと思うと気が重い。しかし、滑落事故のほとんどは、下りで発生していることを肝に命じる。太陽光が剱尾根の険しい岩肌に当たり、コントラストを強調していた。こんな高度感を味わったのは久しぶりだ。2600メートル付近で、さきほどすれ違ったばかりの男性が、早くも山頂から下りてきて、我々を抜かして行った。聞けば、今朝5時すぎに馬場島を出発したというから、馬場島から剱岳山頂まで3時間半で駆け上がったということになる。もはやアスリートである。


前剣〜剱沢方面。行列のできる登山道
落ちたら死にますが慎重に行けば大丈夫

早月小屋に11時10分帰着。小屋まで標高を下げると再びガスで真っ白。テントを撤収して昼食の後、12時ちょうどに再出発。名残惜しく振り返ると、サーッと白いガスが引いて、小屋の背景がやっと見えた。天気がいい日にまた来たい。

まさに雲上散歩。最高の景観です 帰り際に振り返る。こんな所に建っていたのね

しばらくは、剱岳での素晴らしい景色の余韻に浸りながら下山していたが、段々この長い早月尾根にうんざりしてくる。急登で湿った木の根に滑らないように神経を使う。1200メートル付近まで下りたところで派手に転んでしまった。転んだだけならまだしも、登山道脇に1回転して突っ込んでしまった。これが断崖絶壁だとしたら恐ろしい。

15時20分、馬場島に無事到着。剱岳の奥深さをまた一つ知ったような気がする。再び、石碑「剱岳の論」の前でその一語一句を胸に刻む。帰りは地元の温泉で汗を流し、北陸道のSAで白エビ定食なるものを食べた。その後はあまり意識がない。ほとんど寝てしまった。

お疲れさま〜。無事、馬場島に帰還です 冬期ゲートより振り返ると剱岳が見送ってくれた

相当疲れているのに、神戸まで交代で運転していただいたKご夫妻に心から感謝します。また、今回早月小屋で同宿していた男性が滑落し、亡くなられました。私達も登山道ですれ違い、言葉を交わしていました。本当に残念です。心よりお悔やみ申し上げます。

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