大峰奥駈道 Part1
和佐又〜大普賢岳〜行者還岳〜八経ヶ岳〜釈迦ヶ岳〜行仙岳〜白谷トンネル東口
大峰山脈2005年11月3〜6日3泊4日

大峰奥駈道・北部縦走!修験道では煩悩が消え、悟ることができるのか
行程
1日目●自宅〜和佐又〜大普賢岳〜行者還小屋
2日目●行者還小屋〜八経ヶ岳〜楊子ノ宿小屋
3日目●楊子ノ宿小屋〜釈迦ヶ岳〜持経ノ宿
4日目●持経ノ宿〜行仙岳〜白谷トンネル東口
                         
行動時間
1日目●7時間10分
2日目●8時間
3日目●11時間
4日目●4時間30分

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■はじめに

大峰山脈の「奥駈道(おくがけみち)」といわれる縦走路は、北は吉野山から南は熊野本宮大社までの、全長約150キロにもおよぶ日本屈指の修験道である。この縦走路の北半分を4日間かけて縦走することになった。北半分といっても、山上ヶ岳は女人禁制のため、大普賢(だいふげん)岳からスタートして、笠捨山まで歩く計画だ。

今回、奥駈道を縦走するにあたって、一番の問題が水の補給だった。情報によると、地図で標記されている水場は出ていたり、出ていなかったりと、なんとも頼りがない。そのため、余分に水を担がなければならず、テントはやめて避難小屋泊まりとした。


■1日目 自宅〜和佐又〜大普賢岳〜行者還小屋

奥駈道縦走に誘ってくれたKご夫妻との山行は8月の早月尾根以来だ。ますますアルパインクライミング道まっしぐらのご夫妻、山行企画がどんどんハイレベルになってタジタジの私。そのうち山の中でおいてけぼりを食らいそう。

朝5時にもと寄りの駅前で拾ってもらい、和佐又(わさまた)ヒュッテに到着したのは8時だった。奈良県といっても今回の交通費は、北アルプスの主な山にいくのと変わりがない。それだけ山深いということか。世界遺産に登録されてもアプローチは相変わらず難しい。ヒュッテの水は無料。行動用を含んで3.5リットルの水を担いだ。8時半に紅葉まっさかりの和佐又を出発。

人気の山小屋、和佐又ヒュッテ 曇って写真ではイマイチですが紅葉はきれい

大普賢岳は2度目だが、こうして縦走で歩くことになるとは、前回は想像もできなかった。不思議な気持ちで白く煙る登山道を進んでいった。笙ノ窟(しょうのいわや)で休憩。大きな岩をくりぬいたようなこの場所は、昔、行者が冬ごもりで修行したといわれる行場だ。こんな吹きさらしの場所で冬に?科学技術の恩恵を受け、快適な登山ができるようになった我々には、想像もできないことだ。昔の人は命をかけて修験道を歩いていたのだろう。

笙ノ窟で。岩から水がしみ出ています 山頂まで梯子の連続。一気に標高を上げる

連続する梯子を登って奥駈道に出合い、大普賢岳に11時到着。ちょうど晴れてきて山上ヶ岳や稲村ヶ岳を見ることができた。山頂から少し下ったところにある、水太覗(みずふとのぞき)でお昼ごはん。晴れていればここから見る紅葉が素晴らしいのだが、東側は真っ白で何も見えなかった。12時に再出発。

日帰りの登山客でいっぱいの大普賢岳 水太覗で大休止。エネルギーを補給

大普賢岳からは岩の鎖場が続く。こんなに大変やった?と感じるのは重荷のせいか。稚児泊(ちごどまり)ノ宿跡、国見岳を越えて七曜岳の岩場の狭い山頂に13時30分ごろ到着。七曜岳では展望が得られなかったのでそのまま通過、しばらく歩くと西側に絶景が。神童子(じんどうじ)谷の紅葉が素晴らしい。

稚児泊ノ宿跡は広いところ 縦走路はイマイチ展望はよくありません
七曜岳の狭い山頂 神童子谷の紅葉。実際に見てほしい

七曜岳から和佐又への分岐を横に見送ってそのまま直進。ここから先は、誰もいない静かな道。赤や茶色の落ち葉が敷き詰められた美しい道だった。緩やかにアップダウンを繰り返して、見覚えのある分岐に到着。行者還(ぎょうじゃがえり)岳へ空身で向かう。15時に行者還岳に到着。

奥駈道の立派な道標。6月には無かった 行者還岳山頂。当然なにも見えず

ここまでくれば小屋はすぐそこだ。今にも壊れそうな木製の階段を下りきったところに水場がある。6月に来た時には出ていなかった水が出ている!充分な水を担いできたとはいえ安心した。小屋に15時40分到着。我々以外誰もこなかった。本日は雨が時折降るあいにくの天候だったが、ラジオでは明日は晴天だと告げていた。

寒いので梅酒を調子よく飲んでいたら半分になってしまった。これでは明日で無くなるではないか!煩悩いっぱいで1日目を終える。夜は、冬用シュラフでフリースを着て寝たら、暑いくらいだった。3シーズン用で充分だったか。

貴重な水。出ていない場合もあります 行者還小屋は広くてきれいです


2日目は[大峰奥駈道 Part2]に続く!


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