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■日帰り 和佐又口バス停〜尾根コース〜和佐又山〜バス停
冬のシーズンの初めに意気揚々として買ったスノーシュー。雪山の新たな遊び方を提供してくれるであろうスノーシュー。MSR DENALI EVO ASCENTはその能力の半分も発揮できないまま、寂しく部屋の片隅に立て掛けられている。あまりにもその姿が不憫なのでたまらず、週末にスノーシューで遊べそうな山を物色。
関西岳人の冬の定番・奈良交通の霧氷バス。駅から霧氷のできる山まで直通で運んでくれるので、毎年お世話になっている。いくつかのコースのうち、今回は大峰山系の和佐又山(わさまたやま)をセレクト。和佐又山は、秋に大峰縦走をした際のスタート地点である和佐又ヒュッテの横にある山だ。和佐又ヒュッテ前にはスキー場があるので、そのあたりでスノーシューを楽しめるかもしれない。
近鉄・大和上市駅から10名ほどの登山者を乗せて、9時ちょうどに霧氷バスが出発すると、雪が降り出した。「むふふ、いいぞいいぞ、やっぱりここは関西でも雪がよく降る地域やなあ!」とひとりスノーシューを見ながらバスの中でほくそ笑む。和佐又口バス停に着いてトイレを済ませて10時に出発。
トイレの真向かいにある登山口から尾根コースで和佐又山を目指す。奈良交通としては積雪期は林道歩きをプッシュしている。初心者や積雪が多い時は、時間がかかって帰りのバスに間に合わない恐れがあるのでそちらの方が無難だろう。
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尾根コース登山口。バス停からすぐです |
歩き出してすぐの沢にて・凍っています |
登山道は整備されていて歩きやすかった。しかし、それよりも想像以上に雪が少ないので不安になった。数日前に暖かい雨が降り、その時に溶けたようだ。そして前日からの冷え込みでアイスになっている。新雪だと踏み込んだら、下に氷が隠れているのでやっかいだった。
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歩きやすいのはいいが…雪がない!! |
和佐又山。中腹にヒュッテが見えます |
休憩所あたりから和佐又ヒュッテが同じ目線で見えだした。大普賢岳もチラチラと。苔のついた岩ゴロの道を過ぎたあたりから雪が降り出した。赤岳でのガイド講習以来、ガイドさんから「普段からやたらとアイゼンに頼ってはダメ。雪の上での安定した歩行を身につけるべし」との教えを、忠実に守っている生徒ではあったのだが、やせ我慢も限界。雪に靴を蹴りこむのがしんどくなってきたので6本爪アイゼンを装着。
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木も斜めになるこんな道をノーアイゼンで |
苔むす岩ゴロの辺りは道迷いに注意 |
やっぱアイゼンは楽やわ〜と固くなった雪をサクサクと歩いていき、ようやく大普賢岳の分岐に到着。すでにここで13時前だった。おにぎりをひとつ食べて、いそいで和佐又山に向かう。それにしてもこの雪の状態よ。スノーシューは全然必要なし。心の中で背中のスノーシューにわびる。
さきほどの分岐からわずか20分ほどで和佐又山に到着。大普賢岳が白いベールをかぶせたようにうっすらと見える。それ以外はまったく見えない。展望ダメ、スノーシューダメ、霧氷ナッシング、おまけに寒いので駆け足で下山。
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和佐又山山頂。スノーシュー要りませんね |
山頂からの大普賢岳。寒々しい |
和佐又ヒュッテの前のスキー場から、ソリ遊びをしている子ども達の歓声が聞こえてくる。ヒュッテに到着したのは13時30分。バスの時間までは林道歩きの1時間を考えても、余裕ができたのでほっとひと安心。ヒュッテの食堂で冬期限定の「いのしし肉うどん」をオーダーする。最後の1杯らしい、ラッキー。甘みのあるいのしし肉が美味しかった。食堂で小屋の方が電話で「雪は溶けていて・・・」と雪の状態を説明していた。そうか、くる前にヒュッテに積雪状況を聞けばよかったんや、アホや・・・と反省。
途中、新雪の下に隠れていた氷のトラップにひっかかり、尻もちをつきながらも、ヒュッテから林道を1時間ほど歩いて15時25分にバス停に到着。早めにバスが来ていたので暖かい車内に乗り込む。はーっ、とためいき。担いだだけで終わったスノーシュー。今シーズンの内に日の目を見ることが果たしてできるのか!?
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ヒュッテ前でソリ遊びをする子どもたち |
子ども連れのスキー客半分、登山者半分でした |