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■はじめに
南アルプス北部の山から見た、南部の遥かなる稜線に魅了され憧れ続けて、今年はその長いトレイルを一気に繋げるなどという大胆な計画を立てた。半年前から地形図を眺めては色々と思いをめぐらす日々。計画を話すと誰もが「無理じゃないの」と言う。自分でも「まあ無理だろうな」と思っていて、エスケープも念頭に入れつつ、でも完踏できたらいいなあ、というくらいの気負わない気持ちで挑んだ。でも準備だけはしっかりとね。こんなチャンスは2度とないかもしれないから。
■1日目 自宅〜伊那大島駅〜鳥倉林道登山口〜三伏峠
山のお友だち、Kさんの車に伊那大島駅まで同乗させていただく。Kさんご夫妻は北岳バットレスに挑む。バスが来るまでお互いにエールを送って気合いを入れる。Kさんご夫妻はなんだか心配そう。それはやはり、バスを待つ登山者はみな重装備でただものではない雰囲気を漂わせているからか。私は他の人の目にどう写っているのだろうか?
当初、塩川登山口からスタートする予定だったが、今年から塩川へのバス線が廃止。鳥倉林道登山口からのスタートとなった。夏期限定運行の6時45分発のバスに乗る。バスは2台となった。大鹿村を抜けてバスは林道へ。マイカーだと登山口手前のゲートまでしか入れないが、バスは登山口前まで。公共交通万歳!
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伊那大島駅前のバス停。ステビバの人たちも |
鳥倉登山口までバスが入ります |
8時30分登山口に到着。小雨がさきほどまで降っていたが止んでいる。みな雨具を一斉に着込んでいるが、私は降らないことを信じて雨具は着ずに出発。変なところで意地っ張りなのだ。その後、三伏峠まで降ることはなく私の勝利(勝手に優越感)。
8時45分、長い旅の始まりだ。登山道は終始穏やかで歩きやすい。肩や背筋が少しついたお陰で22キロのザックも気にならない。クライミングジム通いの効果もでているかもしれない。ただ、寝不足からくる軽い吐き気には、毎度の事ながら悩まされる。夜通しのアプローチに限界を感じる今日この頃。
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樹林の優しい登山道。終始癒されながらの旅となる |
こんな感じでカウントされてます |
標高2,248メートル地点を過ぎたあたりから、木製の橋が次々と出てくる。天気はすっきりしないが、左手に塩見岳が見えると改めて気分が高揚してくる。テント場から水場が遠いらしいとの情報を見たので、途中、水場では2リットルを汲んでおく。これで荷物の主さはマックス24キロ。さすがに重荷でバランスを崩しそうになる。自分としてはこれが限界だろう。
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バランスを崩さないように慎重に登ります |
左が本谷山、右の雲がかかっているのが塩見岳 |
水場を過ぎて塩川からの登山道との分岐にくると、三伏峠まではもう一息だ。この頃からゴロゴロと雷鳴が。12時15分、三伏峠に到着。降り出す前にテントを設営。水場の場所を確認に行くとやや遠めか。ここで2泊して何往復かしているうちにうんざりしてくる。
相変わらず吐き気がするのでテントで寝ていると雷雨の襲来。1時間ほどで過ぎ去った。明日も雷が来るだろうから早出をしなければ。明日は塩見岳を往復して、その翌日はどうなるのだろう?本当に計画通り歩けるの?楽しい気分には全くなれずに初日は終わった。
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テント場からは塩見岳が顔を覗かせています |
テント場から離れている水場 |
2日目は[南アルプス南部縦走 Part2]に続く!
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