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■5日目 百間洞〜兎岳〜聖岳〜聖平小屋
1週間も山に入っていると当然天気が崩れることもある。ラジオの台風接近の気象情報を聞いても、ここだけは何とかなるんじゃないか、と期待を抱いてしまうのは本当に悪い癖だ。出発してから45分ほど経った5時すぎに、日の出を迎える。どんよりとした重い雲と、稜線を覆う薄いベールのような雲に挟まれて金色の光りが横いっぱいに差し込む。今まで見たことのない不思議な光景を見て、天候は悪化するのだと観念する。
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わずかな隙間から富士山の一部が見えます |
中盛丸山。風に混じった小雨が冷たい |
そうとなったら、本格的に悪くなる前に聖岳を早く越えてしまいたい。5時45分に中盛丸山に到着。風が強く寒くてゆっくり休憩できなかった。それにしても気になるのは兎岳から聖岳に続く稜線だ。ガスが一瞬きれて見えるその稜線は、紅い岩が切り立ちギザギザでアップダウンが激しい。小兎岳から下り、ザレた急坂を一気に上り詰める。7時15分着。
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西側は晴れて恵那山が見えています |
チラ見せ兎岳。なんだ?あのギザギザ |
山頂に咲くピンク色のタカネビランジが気になりつつも出発。今考えると、そこでタカネビランジを撮影していなかったのだから、相当その先の稜線が気になっていたのだろう。
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山頂近くの避難小屋。ちょっと無気味!? |
岩稜をガーッと下ります |
ここからは岩稜のアップダウンだ。聖兎コルからは紅い岩が立ちはだかっている。屹立した紅い岩に、白や薄いピンクのタカネビランジが風に震えている。撮りたくても簡単に手を伸ばせる場所には咲いていない。コルから湿って滑りそうな紅い岩壁を慎重に登る。途中でタカネビランジを発見。
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コル付近。岩壁が立ちはだかっています |
タカネビランジに癒されます |
嫌な岩場を通過した後もしばらく急登が続く。2,796m付近までくると急に晴れてきた。振り返ると兎岳からの複雑な稜線が見渡せた。進む先に聖岳がどっしりと構えていた。やっぱり、ここだけは何とかなるんじゃないか、という思いに再び浸るも、山頂に近付くにつれて再び雲の中に。
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急に晴れた!兎岳からのアップダウン |
日光にピカピカ光る聖岳 |
9時40分、行程中、最後の3,000メートル峰である聖岳に到着。聖岳の山頂から、どうしても景色が見たかったのでかなり粘った。同じペースで朝から歩いていたワンゲルパーティもゆっくりと休憩をしていた。結局小雨が降り出すまでになってしまったのであきらめて山頂を後にする。砂礫のジグザグ道を下り、ヤセ尾根通過後、小聖岳を過ぎると樹林帯に。
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聖岳。すっかり雲の中でしょんぼり |
ヤセ尾根。転ばないように注意 |
マルバダケブキのお花畑越しに聖平小屋が見え出す。便ヶ島からの登山道との分岐である薊畑を過ぎ、小屋への木道が出てきた。聖平小屋12時15分着。
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マルバダケブキと小屋。お馴染みの風景です |
聖平を上から。立ち枯れが目立ちます |
テント場を見ると誰も来ていないようだ。並走していた他の方たちは先に行ってしまったのだろうかと、心細くなった。受付ではクッキーとお茶が出てきたのでびっくり。広々としたテント場は2つに分かれていた。小屋から遠い方のテント場に落ち着く。
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小屋からうれしいプレゼントに集合中 |
テント場。小屋は増築中でした |
カンカン照りのなか、「早いね〜」と続々と顔なじみが到着。連日同じ行程なので、なんとなく次の日の予定をお互い確認し合うようになっていった。ひとりなのにひとりではないという安心感。本格的に天候が崩れる明日は、無理をせず茶臼小屋までの予定だ。
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聖平からの聖岳。3000m峰は見納めです |
食事は軽量化に徹して毎日α米とレトルト |
夕焼けに照らされる茶臼・光岳方面 |
温かい雰囲気の聖平小屋 |
6日目は[南アルプス南部縦走 Part6]に続く!
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