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■日帰り 伏見稲荷大社〜稲荷山〜清水山〜将軍塚〜知恩院
京都一周トレイルとは、東山の伏見稲荷大社から北山西部の清滝までの、京都市内を取り囲む山の縦走路のことだ。縦走路といっても、コース中は住宅地や国道などを歩く。このような多くの人が入りやすい低山は、どこでもそうなのだが、踏み跡が多く、道迷いに注意が必要。あと、女性のひとり歩きは避けたいところだ。実際に歩いてみても、休日でも何か無気味な場所がいくつかあったのが私の印象。
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京都一周トレイルの道標 |
道標には簡単な道案内が表示されています |
そんなわけで、上洛したまゆ太さんとともに、京都一周トレイルの一部である、東山コースを歩くことになった。コース中、いくつかの寺社仏閣に立寄るので、観光と山歩きの一石二鳥だ。まゆ太さんとは何度も会っているのに、実は一緒に山を歩くのは今回が初めて。
8時半ごろ、JR稲荷駅から出発。赤い大きな鳥居を目印にして細い路地を抜けると、いきなり伏見稲荷大社の境内に入ってしまった。神社に入るには参道のおみやげもの屋さんを覗きながら、が定番なので、いったん参道に戻ったが、あいにく屋台はまだ開店準備中だった。
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二千本鳥居の前で。レッツゴーカンテイ! |
まゆ太さんは何を思って石を持ち上げる? |
境内を登っていくと二千本鳥居をはじめ、おびただしい数の赤い鳥居がひしめいている。さすが京都一、お賽銭が集まる伏見稲荷大社だ。なんだか異次元の世界に足を踏み入れたよう。鳥居をくぐって石段を登り、四つ辻に到着。ここはひらけていて、京都市街地や西山の展望地だ。
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四つ辻は展望がよい休憩ポイントです |
稲荷山付近。小さい鳥居がいっぱい |
四つ辻から右に曲がりさらに石段を登っていくと稲荷山山頂に到着。山頂といっても境内なので、鳥居でかこまれた祠が山頂だ。ここからさらに進み、ぐるりと円を描いて再び四つ辻に戻る。四つ辻から進路を北に変え、次のポイントである泉涌寺(せんにゅうじ)に向う。
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狐が逆立ちしています |
この看板何ケ所かに立っています |
舗装道を下り住宅地にでて、道標に従って木の階段をおりる。そこで三ノ橋川を渡らなければならなかったのだが、直進してしまう(一番目の間違いポイント)。川ぞいの林道を登って行くと赤い鳥居が出てきた。伏見稲荷の敷地に戻ってしまったのだ。
引き返して、今度は細い踏み跡がある山道に入る。山をやっていると、どうも、「縦走路は山道なのだ」という激しい思い込みがあるようで……。左の小高い林は、宮内庁の敷地と看板に書いてあるので、そこは多分、泉涌寺の境内?コンパスを見ると西に向って歩いているので、完全にルートを間違っている。戻ろうか、とまゆ太さんと立ち止まったところで、木に手書きで「大石神社→」。あやうく山科方面に行ってしまうところだった。赤穂浪士ファンなら大石神社に行ってもいいのだが。
今度は素直に、最後に見たトレイルの道標のある場所まで戻って、ルートを確認。橋を渡って、住宅街を通り抜けて石段を登り、泉涌寺へ。
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車道歩きが多いんです |
小さな案内板も見逃すな!慎重になってきます |
泉涌寺の中も入りたいところだが、時間を食ってしまったので先に進む。ちなみに紅葉の泉涌寺の庭園は必見だ。昨年の紅葉はコチラを参照。
泉涌寺の隣の今熊野観音寺に通じる赤い橋の手前で右の道をとり、その橋の下をくぐる。車道に出ると、目の前に剣神社があったので、ヤマヤ的に名前が惹かれるこの神社で手を合わせておいた。ここで、40人ほどの団体が抜いていった。集団に巻き込まれるのもなあ〜、と、さらにうだうだとペースを落とす。
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剣神社。安産などの御利益があります |
沢山の登山者で賑わうトレイル |
住宅地から、阿弥陀ヶ峰に向けて山道に入っていく。ちょっとこの辺りは冷やっとして、晴れた昼間でも薄暗い。峰の東側を巻いて車道に出て、そこを左に曲がると国道1号線に合流する。信号がないので、いったん反対側の歩道へ横断し、国道の下のトンネルをくぐる。ここで反対方向に歩いてしまったが、すぐに気がついて引き返した(二番目の間違いポイント)。
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国道1号線のトンネル |
清水寺山頂。癖になりつつあるこのポーズ |
国道からすぐに山道に再び入り、登りつめると本コース最高標高242メートルの清水山に到着だ。三角点がある山頂は樹林に囲まれていて展望がない。時計を見るとすでに12時をまわっていた。ガイドブックによると、3時間半のコースなのだが、ゆっくり寺社を見てまわるなら、もっと時間を見積もっておいた方がいいだろう。
お腹をグーグーいわせて東山山頂公園へとちょっと急ぐ。道幅が広い落ち葉の山道をたどると、一気に展望が広がる東山山頂公園に到着。ここは東山ドライブウエイが通じているので、車でやってきた観光客もちらほら。
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東山山頂公園。トイレあり、展望よし |
老松の和菓子でひといきつきます |
将軍塚は、この公園から少し歩いたところにある青蓮院門跡大日堂の境内にある。将軍塚は、国家の大事があると鳴動したという伝説があるところ。いつもこうして京都市街地を見下ろしていると、市街を漂う空気が、1200年前からなんら変わっていないのではないかという気がしてならない。それは今日、山中で感じた一種独特の空気にも濃縮されているような気もする。
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京都市内を見下ろす |
ゴールの知恩院の三門 |
最後は粟田口に下山するつもりだったが、将軍塚から知恩院に降りてしまった(第三の間違いポイント)。ガイドブックに書かれていた3つの注意ポイントに全て引っ掛かったわけだ。でも、知恩院の三門は本日のコースを締めくくるにはもってこいの、立派で荘厳な造りだ。
<おまけ>祇園で食事をしたあと、六道珍皇寺に訪れた。東山の歴史を少し調べると、ここのお寺も縁が深いので、時間があれば話しのネタに訪れてみては。
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