朝日連峰縦走 Part1 泡滝ダム〜以東岳〜寒江山〜竜門山〜大朝日岳〜鳥原山〜白滝
朝日連峰2007年7月26〜29日3泊4日

ビスタ〜リ家の夏・東北遠征第二弾は花の朝日連峰
行程
1日目●泡滝ダム〜大鳥小屋
2日目●大鳥小屋〜オツボ峰〜以東岳〜寒江山〜竜門小屋
3日目●竜門小屋〜西朝日岳〜大朝日岳〜小朝日岳〜鳥原小屋
4日目●鳥原小屋〜白滝登山口
  
行動時間
1日目●3時間55分
2日目●10時間30分
3日目●8時間15分
4日目●2時間

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■1日目 泡滝ダム〜大鳥小屋

2006年の秋に飯豊縦走を果たして、すっかり東北の山に魅了されたビスタ〜リ家。次なるターゲットは当然、朝日連峰。お花の季節に行きたい母親の希望で、梅雨明けが期待される7月の最終週に日取りは決まった。実際はなかなか梅雨明けしなくてやきもきさせられたが、天候はなんとかなりそうだったので、予定通り東北に向けて出発だ。ひたすら運転する人、ひたすらペーパードライバーであることを死守する人、ひたすら眠りこける人、そんな構成で一路、東北へ。

自宅発 22時
日本海東北自動車道・中条IC着6時
JR坂町駅着7時(駅前駐車場に車をデポ 駐車料金一日300円)
JR坂町駅発9時14分―(特急いなほ1号)―JR鶴岡駅着10時27分
JR鶴岡駅発10時57分―上田沢乗継―泡滝ダム着13時5分(あさひ交通)

上田沢の道ばたに降ろされる。ここで会員バスに乗り換え 夏期のみの仮設テントがある泡滝ダムバス停

夏山を13時に歩き出すのは掟破りの行為なので、どうか真似されないように(しないか)。ジリジリと日光が照りつける中、12時55分出発。標高が低いといえども、東北の夏。関西の夏とは比べものにはならないだろう、楽勝ー!と思いきや、歩き出して早速、ダラダラと大量の汗。すんません、なめてました。

バス停から林道を歩いてすぐの泡滝ダム 山旅のスタートは沢沿いを歩きます

しかしこの道中は、終始ブナの森のなか沢の音を聞き、いく筋も流れている冷たい沢水に癒されながら歩く事ができた。水場は飲めそうなところはいくつかあったが、コップが置かれているところでのみ飲んだ。

ふたつめの吊り橋 登山道のあちこちで水が流れています

比較的平坦な道を歩き、ふたつめの吊り橋を渡ったところからしばらく登ると、七曲がりと呼ばれる急登が始まる。ショートカットの道は全て通らないようにとの看板が出ており、忠実に登山道を歩いたがそんなに長くはかからない。まわりの木々が低くなったな、と思ったところで平坦な道に出る。そこをしばらく歩くと、大鳥小屋に到着。17時。

大鳥小屋に到着すると、早速、女性の管理人さんや他の登山者が親しく声をかけてきてくれた。東北の方は人なつこい?天気はいいし、テント場は広くて心地よさそうだけれど、宿泊者が少ないので小屋泊りにした。水場は小屋から少し離れているが、幾つかの蛇口から出し放題となっていた。冷たくて美味しい。

大鳥小屋の水場。流しっぱなしでした 大鳥小屋(タキタロウ山荘)は大きくてきれいです

※朝日連峰は原則、大鳥小屋以外はキャンプは禁止。大朝日小屋では、混雑期は幕営が黙認されているようです。


■2日目 大鳥小屋〜オツボ峰〜以東岳〜寒江山〜竜門小屋

本日は狐穴小屋まで歩く予定。他の方の予定は大方、そのひとつ先にある竜門小屋までらしい。母親に行けるかどうか聞いたら不安そうなので、予定通り狐穴までを目標に歩くことにする。5時15分出発。

大鳥池の堰堤の脇を通っていくと、すぐに直登コースとオツボ峰コースの分岐に。ここは、展望がいいらしいオツボ峰コースを選択した。登り始めると樹林帯の急登が延々と続き、本音を言えば、朝からありふれた樹林の急登にうんざりな気分。

小屋から堰堤を回りこんで登山道へ 歩き出して間もなく、オツボ峰と直登コースに分かれる

そんな気分をかき消したのは、登りはじめて2回目の休憩をしたころから。樹林帯を抜け潅木帯となり、ポツポツとヒメサユリやチングルマが現れはじめ、これから歩くオツボ峰、以東岳へと続く深緑の稜線にところどころ残す白い雪が、青空のもとくっきりと見えた。花が現れたら、歩みは遅くなるばかり。今までも十分遅いのだが、さらに時間を費やす。


樹林帯を抜けるとオツボ峰、以東岳への稜線が目に飛び込んできた
ハクサンイチゲがちょうど見ごろでした 少し残ってくれていたヒメサユリ

オツボ峰を越えて、以東岳に近付いていくと、南側にボリュームのある朝日連峰の全容がはっきりとみえた。一方、反対の北側の下を覗き込むと、熊がべたっと寝そべっているような形の大鳥池が。わずかに残ったヒメサユリに十分満足しながら、以東岳到着9時45分。

以東岳直下で大朝日までの稜線が見えました 大鳥池を見下ろす

山頂に荷物を置いて、5分ほど下ったところにある以東岳避難小屋へ水を汲みに行く。小屋からわずかに下ったところに雪渓があり、その下部に水場がある。昨日、大鳥小屋の管理人さんがここまできて、雪渓にステップをきってくれたらしい。そのとおり階段ができており、急な雪渓も安全に下ることができた。再度、山頂に戻ってさらに南下する。

無人の以東岳避難小屋。トイレは外にあり 小屋の下部にある水場より雪渓を見上げる
冷たくて美味しい水でした 以東岳からいったん下り、やがて空中に浮かぶ草原に

以東岳を下り始めると、あたりはガスに覆われる。土や岩の流出が激しい広々とした登山道は、ぼーっと歩いていると違う方向へ導かれてしまいそう。そんな荒涼とした風景が、いつしか、緑の海原にニッコウキスゲの群落へ。時折風が吹くと、緑の海にさざ波が寄せる。


たおやかな緑の稜線を行く
何度か現れるニッコウキスゲの群落 アップダウンを繰り返し、狐穴小屋が見えてきました

一見たおやかな稜線だが、何度も何度も繰り返されるアップダウンに、いい加減疲労がたまってきた頃に狐穴小屋に到着。12時30分。昨夜、宿を共にしたグループが先着していて、小屋の近くで休憩をしていた。「竜門小屋まですぐだから行けるよ!」と元気づけてくれた。母親もこの方たちの言葉でまた歩く気力が出たようだ。1時間ほど、昼食を兼ねてゆっくりと休憩し、小屋の外に出ている冷たい水でリフレッシュした後、13時30分出発。

朝日連峰では裸地を修復している。狐穴小屋周辺は特に目立つ イブキトラノオの群落

竜門小屋までは、ざっと見積もって3時間くらいかかるかなと思っていたが、2時間ぐらいであっさりと着いた。最初、ガスのなかからうっすらと小屋が見えた時は、幻覚かと思った。15時35分到着。

竜門小屋。少し小さめだけどここもきれいです 小屋の前の水場。「ビールゆずります 800円」

竜門小屋は比較的新しいようで、内部はきれい。私たちは2階に通された。一時は、20人の団体が来るらしいという情報があったが、結局来ずに、この日も小屋のスペースはゆったりと使えた。小屋内でナン作りに格闘している頃、さっきまでのガスが晴れ上がり、夕日が朝日連峰を染め上げていた。

3日目は[朝日連峰縦走 Part2]に続く!


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