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■2日目 TS〜船窪岳〜不動岳〜南沢岳〜烏帽子岳分岐〜烏帽子小屋テント場
3時。隙間なく張られた四方八方のテントから朝の支度の音がする。寝坊するもん。そのあと30分間、目をつぶってじっとする。足がカチコチだ。使いものになるんだろうか。そろそろとシュラフの中で動かしてみる。3時30分に起きだして朝食の準備。テントから出ると他のテントのほとんどは撤収した後であった。ちょうど赤牛岳が赤く染まるところだ。テント場出発5時。
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テント場からの赤い牛。そこに行くから待ってろよ! |
船窪テント場。狭いので早く着いていい場所を確保しましょう |
歩き出して間もなく進行方向の左側、不動沢に向けて激しく切れ落ちているところを通過。南沢岳までの稜線ではこのような状態が続く。ヤセ尾根ばかりでなく、ワイヤーを頼りに上り下りする箇所がいくつもあり気が抜けない。天候の悪い時には絶対に歩きたくないコースである。船窪乗越から急登をこなすと船窪岳の山頂に到着。5時50分。「これからが大変なんだよ」と、誰に言うでもなくおじさんがつぶやいて通り過ぎていった。
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左側が常に切れ落ちています。明るくなってから歩くのが無難 |

深い深い不動沢と槍ヶ岳 |
風化したもろい花崗岩にむりやり渡した幅の狭い橋、激しく切れ落ちた岩場のワイヤー頼りのトラバース、体力勝負の急登……、あらゆることを試されているようなコースだ。船窪岳第2ピークと書かれた道標のある2,459メートルのピークを経て、いったん下ると北アルプスではないような穏やかな樹林帯になる。5メートルほどの補助ロープのある岩場を下ると、不動岳までおよそ300メートルの登りの始まりだ。
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船窪岳の道標のあるピーク。ここから先が難路 |
もろい花崗岩に架かる橋。年々状況が変わってそう |
船窪岳の第2ピーク手前の鞍部より。緊張感が続くコース中の緩和 |
ワイヤーのある船窪岳の第2ピークへの登り |
第2ピークを下ると南アルプスのような樹林が |
崩壊した尾根を避けるように針葉樹林の中につけられた道をひたすら登る。途中、鉄板のある展望のひらけた所で休憩後、立ち上がってズボンの土埃をはらうと、おしりの部分が破れていることに気がついた。どこで破いたのか全く身に覚えが無いので狼狽える。が、激しいコースで自分の身に何ひとつ災いがなかったことを良しとしなければ。ズボンのひとつやふたつくれてやる!
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不動岳への長い、ながーい登り |
鮮やかな黄色で目をひくコキンレイカ |
南北に長い不動岳の山頂部にやっと乗っかりました |
山頂より、立山、剱岳への絶景 |
不動岳の直下で大きな段差のある岩場があるが、これまでの難所と比べるとたいしたことはない。不動岳到着、10時10分。はあーっとため息をついて針ノ木岳、蓮華岳、立山、剱岳をただただぼんやりと眺める。船窪から後になり先になり歩いていた方々が次々と到着し、この眺望を喜び合っていた。大休止モードとなる。
ふわふわと幸せな気持ちで山頂を後にして、下りはじめのところで目を見張る。空に向かって斜面がピンク色!コマクサの群落に出会う。これでもか!これでもか!の山からのプレゼント攻撃にさらにふわふわ。
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不動岳山頂より。どこからでも目を引く巨大な山塊の立山。その下には黒部ダムも |
不動岳山頂より。針ノ木岳と蓮華岳。どちらも特徴のある山容で目立ちます |
森林限界の不動岳から樹林帯の南沢乗越まで、またまた大きく下る。南沢乗越で谷から吹き上げる風に硫黄臭が混ざっているのに気がつく。崩壊した斜面の遥か下は葛温泉をはじめとする温泉パラダイスだ。南沢乗越からは崩壊した砂礫の急斜面だ。ふんばるように歩いていると靴の中が燃えるように暑い。一度、偽ピークにだまされて南沢岳に到着、12時15分。
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クルマユリ |
南沢乗越への下り。山の半分がえぐり取られたようだ |
雲がわいてきて、裏銀座から赤牛岳までの稜線が残念ながら半分くらい隠されていた。それでも、この目の前のどっしりとした雄大な景色を堪能することができた。南沢岳は広々とした白い砂礫の山頂で、あまりにも歩き心地がよくて休憩を忘れて歩き通してしまった。
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南沢乗越から高瀬ダムを覗き込む。かすかに硫黄臭が |
広々とした南沢岳山頂。もう少し展望がよければ最高だっただろう |
南沢岳をいったん下ると、白い砂礫の平坦な登山道へ。そして、「烏帽子田圃」と呼ばれる池塘が点在するお花畑を歩く。結構疲れてきたので烏帽子岳の分岐まで長く感じる。烏帽子岳の分岐に到着、13時20分。
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池塘とお花畑が点在する烏帽子田圃。癒しの庭園! |
烏帽子岳。ピークに登るのは次回の楽しみに取っておきます |
前烏帽子岳を見上げると、たけさんが歩いている。ということは、私もなかなかのペースで歩いたってことか。分岐でザックを降ろして座っているとまた眠くなってきた。うとうとすること15分。さっき、一瞬だけみえた烏帽子岳は今はもうガスのなか。決めた。悪天候に阻まれた前回と同じく、今回も烏帽子岳はパス!またいつか登ればええわ。前烏帽子岳を経て、烏帽子小屋着、14時10分。
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烏帽子小屋 |
登山道に点在するテント場。水は小屋で購入します |
前日と同じく、小屋前で100%オレンジジュースを一気飲みしているところに、たけさんがテントの設営を終えてやってきた。破れたズボンを見られないように不振な動きをして、テント場へ。設営後は、親不知海岸から上高地まで縦走する方(針ノ木峠で私と休憩がかぶっていたらしい)と、たけさんが昨年南アルプスの縦走中に出会った方とで、延々と宴会。みんな飲み過ぎやっちゅーの。
3日目は[針ノ木峠〜蓮華岳〜船窪岳〜烏帽子岳〜高天原〜赤牛岳〜黒部ダム Part3]に続く!
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