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■1日目 竹宇駒ヶ岳神社〜七丈小屋テント場
家で握ってきたでかおにぎりを3個食べ、まきくまさんが握ってくれたおにぎりもせっかくだからと2個食べ、合計5個のおにぎりを胃に蓄え、8時15分、尾白川渓谷駐車場を出発した。今回の計画は、黒戸尾根から甲斐駒ヶ岳に登り、その後は早川尾根に乗っかって鳳凰三山の地蔵岳までである。であるが、「行けたらいいね〜」ぐらいのゆるい目標である。だって、たたらだもん。
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駒ヶ岳神社にて各自気に入った石像をパシャ |

霊山として古来より信仰されてきた甲斐駒ヶ岳 |
黒戸尾根は2回目である。前はひとりで何を考えてここを歩いていたんだっけ。意外とラクだったとか、蒸し暑かったとか、身体的な感覚しか思い出せないのはなぜだろう。そんなものかもしれない。ひたすら歩くことだけに集中しているのが山歩きのいいところだ。
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お猿さんやクマさんのおこぼれをいただきます |

登山道の傍らに佇む石像 |
もうすぐだと思っていたら横手からの登山道の分岐になかなか到着しなかったり、意外と早く鳳凰三山が見えるポイントまで来たり。人の記憶力はたいしたことないのだ。栗をたくさん拾ったのにほとんどまきたたらが独り占めしたとか、でかいザックを担いだまゆたたらの姿が「ぬりかべ」そっくりだとか、たぶんそんなことはきっとずっと憶えているのだろう。鳳凰三山が左手に見えたら刃渡りが近い。標高は2000メートルに達する。けれども、まだまだ深い森のなかを歩く。
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秋の黒戸尾根は素晴らしい。色とりどりの落ち葉を踏んで |
鳳凰三山ビューポイント |

あれ、こない。と思ったら景色に食いつくふたり |

刃渡りを歩くたたらん。眼下の景色に見入って、つい立ち止まってしまう |
刃渡りから急登がさらに急登に |
刀利天狗 |
刃渡りを通過し、梯子を登ったのちに刀利天狗に到着する。13時10分。休憩をはさんで再び歩き出す。黒戸山のピークを巻くように歩いていく。急坂続きだったが比較的平坦な道となり、つかの間の休息といったところか。見上げれば紅葉と黄葉、森の中は苔が美しい。黒戸尾根ってこんなにきれいだったっけ、と歩きながらずっと思っていたことを口にすると「私もさっきから感動してるんだけど」とまきたたら。やっぱりそうやんな。やっぱり季節を変えて登るのっていいやんな。忘れたびすたたらの代役を探して歩いて行く。
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黒戸山を巻く途中にある切り株の道標 |
五合目から山頂を見上げる |
五合目には廃墟の小屋があったが、完全に撤去されていて更地になっていた。小屋跡を少し下って祠のある広場で休憩をする。5個のおにぎりを食べたのにお腹がすいた。そうだ、まきたたらのカナダみやげのお菓子を食べよう。
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クライマー御用達?カナダのお菓子 |

ここからテント場までひたすら梯子攻めです |
五合目から七丈小屋まで、そしてさらに、テント場に行くには小屋から梯子を登っていく。つまり、五合目からテント場まで梯子が連続する。ひたすら垂直移動なのである。梯子は持つ手さえ離さなければ安全ではあるが、一カ所、岩が出っ張ったところがあり、大きなザックが引っかかりそうでヒヤッとする。「こんなところあったっけ?今、すんごい怖かったんだけど!」と言うと、まきたたらんまゆたたらんも、ここは憶えていないとのこと。おかしい、ここを憶えていないなんて、やっぱりわたしらおかしい、などと言いながらさらに梯子を登って行く。
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一段一段慎重にね |
梯子を登って見下ろすと相変わらず紅葉がきれいだね |

七丈第一小屋。少し奥に第二小屋、さらに梯子でテント場 |

テント場にて。たたらもお疲れ気味 |

かあさん、晩ご飯なあに?「なめこ入り豚汁やで〜」 |

「ひじきの混ぜご飯もあるで〜」さすがかあさんや |

サンセット鳳凰三山。テント場より |
15時20分、七丈小屋に到着した。小さな小屋は満員で第二小屋にも宿泊者がいた。テント場は小屋からさらに梯子を登り、10分ほど登山道を登ったところにある。トイレや水場は小屋前にあるので、用があるたびに梯子を登ったり下りたりしなければならない。テント場は3カ所ある。ここが全部埋まることがあるのだろうか。小屋から一番近い方のテント場は満員だった。宿泊者はみな、夕食の楽しいひとときを過ごしていた。けれどもそこは、天下の黒戸尾根である。日が暮れると、みな一斉に就寝!
2日目は[黒戸尾根〜甲斐駒ヶ岳〜早川尾根 Part2]に続く!
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