ビスタ〜リの女ひとりテント道

紆余曲折を経て、2004年はテントで12泊以上しました。
私自信、色々な本やサイトから知識や情報を頂きました。
ここでは、女ひとりならではのテント泊の方法や悩みなどを、
いっちょまえにもご紹介できたら…と思います。

重い…


CONTENTS
1 なんでテント泊?ひとりでこわくない?
2 女ひとりのテント泊の心がまえと安全対策
3 コース選定は最重要課題・避けるべきテント場は…
4 ちょっとの工夫で快適・女ひとりテントライフ
5 雪上キャンプにも挑戦!実録・GW涸沢カールでテント泊 NEW!





2003年は冷夏で雨の日が多く、北アルプスの縦走中も半分は雨でした。テント泊の登山者は寒さに震え、衣類も乾かず、雨で一層重くなったザックを背負ってかなりしんどそうでした。私は思いました。なんで小屋があるのに利用しないのかな?と。そんなしんどい思いをして楽しいのかな?と。この人たちってきっと苦痛が快楽になるそっち系の方たちなんだなと。私には絶対に無理だなと。

その冬、武奈ヶ岳で雪上キャンプするというツアーがあり、雪山とテントを経験したことがないシロートの私は喜び勇んで出かけました。なんだかんだで、テント泊に必要な装備がテントを残して揃ってしまいました。結構、テントって冬でも暖かいし、熟睡できるし、食料だってフリーズドライなんか豊富に売られていて、手間もかからずおいしいやん!と、普段から粗食の私には(同じメニューが1週間続いても食べられる)不都合は感じません。ちなみに北アルプス縦走6日間の粗食っぷりはこちら。

やっぱり一人前の山ヤになるにはテント泊は避けられん!と盲信し、2004年の夏にテント泊デビューすべく、周到に準備を進めていくことにしました。貧乏性ゆえに、装備の出費の元をとらんといかん、という脅迫観念もありましたが。

夏の北アルプス縦走は計画にありましたが、いきなり長期縦走は無茶ですね。というわけで、プレ・テント泊山行として、関西圏での1泊を計画しました。そのコース選択については次章にて。





渡る世間は鬼ばかり
「男は外に出ると7人の敵がいる」とは言いますが、女がひとりテントかついで山に行くには14人の敵がいると考えてください。14の数字にはなんの根拠はありませんが。とにかく、普通に単独行で注意しなければいけない事の、倍は気を使うと思うんです。
おこりうる災難を想像して、前日に「あー!やっぱり行くのやめとこ!」と考えるのは私がただ小心者だから、といわけではないのです。ケガとか道迷いとかクマさんも心配ですが、やっぱり一番怖いのは人間ですね。圧倒的多数の善良なる男性登山者には悪いのですが、暗いテント場で見知らぬ男性とふたりきり、なんて考えただけでも恐ろしい。寝る時にはホイッスルとナイフとライトは必ず枕元に。ゴルゴ13なみです。

ワンダフルワールド
そして、一にも二にも体力です。山行前だけ、といわず日ごろより山を歩いて脚力をつけています。腕立てふせもしておきます。また、山行前は意識してより栄養のあるものを食べます。
あと、軽量化を心がけます。明らかに許容量をオーバーして、バテバテで夕方にテント場に到着、バタンキューでテントに寝たきりなんて、意味がないですね!
山で過ごす時間はかけがえのない時間です。一人でいて時間を持て余すんじゃないかと、最初は思っていましたが、大自然の中でビール飲んでぼーっとしたり、スケッチしたり、夕日が暮れてゆく山脈をながめたり、地方のFMを聴いたり、明日の行動予定を考えたり。あっという間に時は過ぎます。苦労の果てにはいつも山から壮大なプレゼントがもらえます。





★車で簡単にアクセスできる所★
 六甲山などは手軽でいいのですが、ドライブウエイがあるために
 ヤンキー車も大挙して押しかけます。
★営業小屋のない所★
 天候の急変に逃げ場がありません。それに、助けを呼んでも誰もいないことも。
 水場もないかも。もちろんビールも手に入りません。
★シーズンを外した所★
 山に行って人が多いのは嫌だ!なんて贅沢いってはいけません。
★大人気テント場(例:10月連休の涸沢)★
 一人でいるのがアホらしいです。
 「あの人一人できてるんだ〜。ちょ〜さみしくない?」などと陰口を
 言われているような被害妄想をしてしまいそうです。(あくまで想像)

というわけでプレ・テント泊山行として、7月上旬の八経ヶ岳の弥山テント場を選択。
この時期、オオヤマレンゲが咲き、百名山でもあるこの山域には、全国から人が集結するという。しかも、そのほとんどが日帰りのピストン、大混雑は避けられそう。小屋もあるし、山行記録がウェブ上にたくさんあり情報収集もラクでした。結果的に大成功・大満足の山行でした。
その時の模様は
こちらです。





清潔を心がけよう
軽量化のために個人用マットは持っていきますが、テントシートは省略しています。その代わり、小さいレジャーシートを出入り口に敷いています。特に出入り口付近は、雨や砂埃が入り込んだりしやすいので掃除がラクです。あと、露店商のごとく荷物を広げずに、整理整頓しましょう。

女のトイレ問題
結構トイレが近くて悩んでいる女性が多いのではないでしょうか。そこで、あえてトイレの近くにテントを設営する、というのもアリだと思います。トイレが行くのが面倒で、無意識に水分を控えたりしてしまって高山病に…なんてこともありそう。ただしあまり近いと、においますのでご注意を!あと、私は以前、行動中は水を飲んでいましたが、粉末のポカリを入れるようにしてからトイレの回数が減りました。

ご近所さんへのお声がけ
あえて声をかけて自分の存在を知らしめるという手があります。翌日の予定をお互い教えあっておけば、自然とお互いの安否が気になるものです。縦走ならばほとんどの確率で同じスケジュールですので、行程中の感動や苦労を共有できていいですよ。たまに夕食のご相伴にあずかったりも!?

小屋で情報収集・団体に要注意!
小屋で登山道の状況を確認する時に、宿泊の混雑状況を聞きます。「今日は1つのふとんに2人ですよ〜。」と聞き、ひとりテントで悠々と勝利の美酒に酔いしれる…のではなく、翌日の行程を30分早めにするように心がけたりします。以前に縦走中、2つの団体との熾烈な抜かしあいや頂上での領土の奪い合いを繰り広げ、精神的にダメージを受けました。

耳せん最強伝説
テントだから小屋ほど、他人の声や寝息やイビキやおならは気にならいでしょ?とんでもない、薄いナイロンの壁を通して、ザクザクと歩く音やイビキなど気になります。特に、みなさん野外だから開放的になるのでしょうか、大声で元気よく「あの人とアタシは合わない!だから山も一緒に行かない!」「おい!もっと静かにしゃべろうぜ!うひゃひゃひゃー!」「なんで山は、おならがよく出るのかなあ!あっ、まただ!」。「……」黙って女ひとり、耳せんしてシュラフにもぐりこみます。





無雪期のテントを何泊か経験したら、今度は雪の上でテント泊してみたい、と思うのが自然の流れというもの(私は雪上キャンプが初テントでしたが)。いきなり厳冬期は寿命を縮めてしまいますので、好天の低山、あるいは春山はどうでしょう。ここでは、初めて自分のテントでのゴールデンウィーク
涸沢カールテント山行の番外編をお送りいたします。

ザックの中身はこんな感じ!


1.洗面用具等・小物 2.テントポール 3.テント 4.個人用マット
5.シュラフ 6.シュラフカバー 7.ピッケル 8.グローブ
9.ザックカバー 10.アウタージャケット 11.アウターパンツ
12.フリース 13.銀マット 14.座ぶとん・レジャーマット
15.スパッツ 16.アイゼン 17.ストーブ 18.ネックゲーター・ニット帽
この他、2泊用の食料や水を追加して、総重量14kgになりました。



整地は念入りにしよう!


しっかりと雪を踏み固めよう。
ここで手抜きをすると床がボコボコになり、
居心地・寝心地が悪くなります。


ペグは雪専用か木の枝で代用


凍って掘りだせない場合があります。
最悪、ロープを切って撤収します。
今回の山行では、気温が高く凍りませんでした。
細引きも持って行きましょう。


銀マットは銀の面を下にする


地面からの冷気を遮断するため、隙間なく敷こう。
でも、完全に遮断するのは無理です。
冷え性の方は、シュラフやテントシューズや
カイロを総動員しましょう!
ゴアのアウターなどは温度を遮断するので
シュラフの中では脱ぎましょう。


当然、テント代を払いましょう


テント許可証は分かりやすい所に
くくりつけて。


テント泊の食事


テントの中で調理する場合、
ストーブが転倒したり、引火しないよう安定した場所で!
そして換気を充分にしてください。
一酸化炭素中毒になります!
メニューは辛めのものにすると体が温まりますよ。


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